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寺内大輔の日記

寺内大輔のサイトに戻るには、画面左の、「寺内大輔のページに戻る」をクリックしてください。
お誘い:日本音楽即興学会
私が所属している日本音楽即興学会に関するお知らせです。

ウェブサイト(会員随時募集中):
http://jasmim.net/index.htm

第4回大会(9月22日、23日)のお知らせ(会員でない方も参加できます):
http://jasmim.net/panflet20120807.pdf

即興に関心のある方は、ぜひどうぞ〜〜。
| 即興演奏 | 20:27 | - | - |
音遊びオーケストラ in 安芸津 ウェブサイトが完成
皆さん、こんにちは、寺内大輔です。

以前の日記でお知らせいたしました「音遊びオーケストラ in 安芸津」のウェブサイトができました。ウェブサイトを作ったのは、スタッフの広島大学学生です。

http://home.hiroshima-u.ac.jp/terauchi/soundplay/toppage.html

「活動記録」をクリックして頂くと、第3回までの活動の録画が観れます。これからも、活動のたびに録画をどんどん公開していく予定です。

皆様、これからも、音遊びオーケストラをよろしくお願いいたします。

寺内大輔
| 即興演奏 | 23:41 | - | - |
ミヒャエル・フィッシャーが大柿高等学校に来た
4月21日、呉のplan Uにてミヒャエル・フィッシャー コンサートが開催された。

その翌日、私の勤務先のひとつである広島県立大柿高等学校に来てもらい、三宅珠穂、私とともに放課後の音楽室で短いライブを行った。

予定されていた学校行事ではないため、「全校生徒の前で」というわけにはいかなかった。主に、音楽部のメンバーと「聴きたい人は誰でも」という形で宣伝したのだが、予想以上に多くの生徒と教員が音楽室に詰めかけ、大盛況となった。

生徒達はもちろんのこと、教員達にとっても、これまでに聴いたことのないような音楽だったようで、後日いろいろと興味深い反響があった。
「あのような音楽は、何をあらわしているのか?」とか「テーマなどを決めて演奏するのか?」といった質問が多かったが、出演者達を昆虫にたとえて、かわいいイラスト付きの感想を書いてくれた先生もいた。

私は、この高校には今月から勤務を始めたばかりで、まだ新参者である。だから、こういう企画を提案するには少しためらいもあったが、思い切って提案して良かったと思う。
急な提案にもかかわらず、協力してくださった校長先生、教頭先生をはじめ、多くの先生方に心から感謝している。


追記1:
終演後、ミヒャエル・フィッシャーは、生徒達から「サインぜめ」にあっていた。なぜ・・・?
中には、プレイステーションポータブルにサインを要求していた生徒もいた。
ミヒャエル・フィッシャーのサイン入りプレイステーションポータブルを持っているのはおそらく世界に一人だろう。

追記2:
ミヒャエル・フィッシャーが音楽室を訪れた際、教室内に感動的なアイテムがあった。それは、「黒板消しクリーナー」である。
オーストリアでは、このような機械はなく、黒板消しは水洗いしているのだそうだ。
「じゃあ、黒板消しクリーナーをオーストリア中の学校に売りさばこう。このビジネスでお金持ちになろう」と笑い合ったが、今のところ実行に移す気配はない。
| 即興演奏 | 23:01 | - | - |
「てりんぷろ」の学会発表
明日から、宮城教育大学で開かれる日本音楽表現学会大会に参加します。

数多くの興味深い発表、シンポジウムがあります。
お近くの方はぜひご来場ください。


************************
日本音楽表現学会第7回(プロムナード in フォレスト)大会
期日:2009年6月13日(土)〜14日(日)
会場:宮城教育大学(仙台市)

日本音楽表現学会ウェブサイト
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jmexs/index.html

宮城教育大学ウェブサイト
http://www.miyakyo-u.ac.jp/
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私も、14日(日)15時15分からの分科会で発表いたします。

タイトルは、「インターネットテレビ電話を利用した遠隔共演の試み〜自由即興演奏コンサート「てりんぷろ Tel-impro」の報告〜」です。昨年6月に開催されたコンサート「東京ー広島 てりんぷろ Tel-impro」に関連した発表で、インターネットテレビ電話による遠隔共演と自由即興演奏表現の関わりや、遠隔共演の今後の展望などについて取り上げます。


発表要旨*********************************
インターネットテレビ電話を利用した遠隔共演の試み
─自由即興演奏コンサート「てりんぷろ Tel-impro」の報告─

 インターネット通信を利用した音楽配信は、1990年代後半から徐々に普及し始め、さらには、インターネット通信を利用した生中継も増えてきた。しかしながら、それらはいずれも、「音楽データをインターネット通信によって送信し、遠隔地にいる人がそれを聴く(あるいはデータをダウンロードする)」といった一方向の形で行われているものが多く、双方向の通信による共演を行うという例は、まだあまりない。
 双方向通信による共演の例があまりない理由のひとつは、通信によって生じる時間差である。時間差が僅かでも生じれば、簡単な旋律をユニゾンで奏することさえできない。これは、各奏者のタイミングを正確に合わせなければならない音楽にとっては致命的な欠点となる。しかしながら、自由即興演奏においては、通信の時間差はあまり問題にならない。なぜなら、特定の音楽様式にとらわれない自由即興演奏においては、共演者と演奏のタイミングを正確に合わせる必要のない音楽を選択することが可能だからである。さらに、自由即興演奏においては、通信の時間差が、かえって音楽を魅力あるものにする要素にも成り得る。自由即興演奏では、しばしば、瞬間的なテクスチュア(音楽の表情)を瞬時に判断して、自らの演奏を決定することが求められるが、通信の時間差によってもたらされるテクスチュアは、演奏者の認識やコントロールの度合いに適度な混乱を与え、演奏行為をより興味深いものにするからである。そしてそれは、演奏者自身だけでなく、聴衆にもある種の魅力を感じさせることに繋がる。
 2008年6月29日、私は、インターネットテレビ電話を利用した遠隔共演による自由即興演奏コンサート「東京−広島 てりんぷろ Tel-impro」というイベントを企画し、演奏にも参加した。広島県呉市の多目的スペース「Plan U」と、東京都の音楽家、尾上祐一の自宅「尾上スタジオ」とをインターネットテレビ電話で繋ぎ、それぞれの会場にいる出演者が、リアルタイムで双方向遠隔即興演奏を行うという試みである。インターネットテレビ電話のために用いたソフトウェアは、音質の良さや通信の安定性という点で高い評価を得ているeBay社のSkypeを採用した。Plan U側では2名の音楽家(三宅珠穂、寺内大輔)が、尾上スタジオ側では、音楽家(尾上祐一)、ダンサー(新井英夫)、カメラと照明(落田伸哉)の計5名が参加し、共演した。聴衆は、Plan Uのみに集められ、三宅と寺内の生演奏と共に、スクリーンに映し出される尾上スタジオの音と映像を同時に楽しんだ。
 さて、ここで、ヴィデオ表現についても触れておきたい。本コンサートでは、ヴィデオを利用して、映像表現も取り入れたのだが、一方向の映像と音声の間にも通信の時間差が生じる。東京から送られてくる視覚的なリズム(新井の動き)と聴覚的なリズム(尾上の演奏)との時間差もまた、この試みの興味深い点である。
 本発表では、「東京−広島 てりんぷろ Tel-impro」の報告を行う他、本大会会場である宮城教育大学と私の自宅(広島県呉市)とをインターネットテレビ電話で繋ぎ、遠隔共演の実際をご覧頂くことも予定している。
 音楽表現以外にも、インターネットテレビ電話を利用した遠隔共演には様々な可能性がある。遠隔地の表現者が参加できるため、例えば、遠方の音楽家が実際に会うための交通費の捻出が難しいという経済的事情や、何らかの障碍や病気、ケガなどで外出できないという身体的事情がある場合などにも、有効な共演の手段に成り得る。
 インターネットテレビ電話を利用した遠隔共演は、今後、新たな自由即興演奏のあり方を提案するものとして、大変重要な方法になるだろう。
| 即興演奏 | 15:18 | - | - |
日本音楽即興学会の発表資料「頭の中での即興演奏」を公開しました。
 皆様、こんにちは。

 9月14日に開かれた日本音楽即興学会設立大会で、短い発表を行ったのですが、そのときに配布した資料を、ウェブサイトに公開しました。

 当日来られなかった方で、興味のある方は、ぜひご覧ください。


発表「頭の中での即興演奏」
http://dterauchi.com/atama.html


日本音楽即興学会公式サイトはこちらです。
http://jasmim.net/
| 即興演奏 | 14:53 | - | - |
てりんぷろ Tel-impro
 インターネット電話は、近年驚くほどの勢いで普及してきた。
 カメラを使えば、テレビ電話もできる。

「てりんぷろ Tel-impro」は、インターネットテレビ電話を利用して、遠隔即興演奏をやろうという試みである。6月29日に予定しているイベント「東京ー広島 てりんぷろ Tel-impro」では、東京ー広島の遠隔即興演奏を予定している。

 インターネット電話には、時間差がつきものだ。これまでの実験では、約0.5秒音が遅れて伝わるようだ。また、常に良い状態で通信できるとは限らない。だが、そういった諸条件を含めて、表現に取り込む予定である。

 今回、お客さんを募るのは広島会場のみであるが、将来的には2箇所ともにお客さんを呼べる可能性もあろう。また、日本国内のみならず、海外の即興演奏家とリアルタイムで共演、という可能性にも繋がる。今回、私にとって初の試みである「てりんぷろ」、できれば将来的にも続けていきたい。

 皆様、お誘いあわせの上、多数ご来場ください。

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●東京−広島「てりんぷろ Tel-impro」

広島県, Plan U
(呉市三条4丁目3-10 Plan U、JR呉駅徒歩10分, 呉市営バス「三津田橋」前)
2008年6月 29日(日)18時開場、18時30分開演
前売り・予約2000円、当日2500円
お問い合わせ: dterauchiアッとまーくnifty.com、090-2801-1510(三宅)

インターネット通信で、東京と広島を繋ぐ、遠隔即興演奏。
東京「尾上スタジオ」と、広島「Plan U」のアーティスト達がインターネット・テレビ電話を通じて共演!

Plan Uの壁にリアルタイムに映し出される「尾上スタジオ」。
通信による時間差をも取り込む新たな表現領域。
おそらく広島では初の即興演奏の試みです。
皆様、お誘いあわせの上、ご来場ください。

出演
東京「尾上スタジオ」
新井英夫(ダンス)、落田伸哉(光とカメラ)、尾上祐一(音楽)

広島「Plan U」
三宅珠穂、寺内大輔(音楽)


http://dterauchi.com/infomation2.htm

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| 即興演奏 | 11:59 | - | - |
ママオケでコブラ
 去る5月29日、即興演奏のワークショップを行った。
 対象は、「広島きらきら母交響楽団」の皆様である。
「広島きらきら母交響楽団」は、子どもを持つお母さんを中心としたアマチュア・オーケストラで、子連れで練習に参加するメンバーも多い。

 即興演奏は、アマチュアで音楽演奏を嗜む方にとって、大変適した表現のひとつだと思う。しかしながら、「広島きらきら母交響楽団」のメンバーの多くは、即興演奏に全く馴染みがなく、ワークショップを開催すること自体への疑問の声も挙がったそうだ。

 交響楽団と私の間に入って、いろいろとコーディネートをしてくださった大魚信頼氏と打ち合わせを行いながら、即興演奏に不慣れな方々にも抵抗なく楽しめる内容を考えた。指揮者が手で様々な指示を出す即興演奏「コンダクション」と、カードによる即興「コブラ」(J. ゾーン考案)の一部を組み合わせることにした。即興演奏に不慣れな人にとっては、自由に即興演奏を行うことは容易ではない。「コンダクション」や「コブラ」のように、ある程度ルールのある即興の方が、実践しやすいと考えたのだ。

 しかし、ひとつの重要な問題があった。「オケの技術向上に何の役にたつのかわからない」という声がメンバーから挙がっているというのだ。

 私は驚いた。私としては、アマチュア・オーケストラは趣味的な傾向の強い団体だという認識があったため、まず「音楽的に楽しめること」「音楽的な楽しみの幅を拡げること」を第一に考えていた。乱暴な言い方をすれば、「楽しいことをやりたいね」程度の気持ちだったのだ。ワークショップは、これらの「遊び方」を私が教えて、あとはそれに基づいて全員で遊ぶ時間だと解釈してくだされば良い、そう考えていた。したがって、「オケの技術向上に何の役にたつのか」という意見からは、私の予想以上に、メンバーが向上心を持って活動に取り組んでおられることが窺え、感心した。

 私は、大魚氏を通して、私からのメッセージをオーケストラの掲示板サイトに載せて頂くことにした。メッセージの内容を要約すると、次のようになる。

 技術向上、という視点で考えれば、「自分の音楽表現の幅を拡げる」「自分に馴染みのない音楽ジャンルも含めた、様々な音楽表現に対応できる柔軟性が高まる」「アンサンブルの中での自分の立場を直観的に読み取る力がつく」「集団アンサンブルにおけるバランスをコントロールする力がつく」などの効果が期待できる。しかし、同時に「『これをやれば、何らかの技術や能力が向上する』という『勉強気分』よりも、その場でしかできない音楽を楽しもう」といったことも伝えた。さらに、「馴染みがないという理由でワークショップの参加を躊躇しておられるならば、それを、好奇心に変えて参加して頂ければ嬉しい」とも。


 当初は、参加予定人数は1名だったそうだ(その1名とは大魚氏である)。しかし、大魚氏の勧誘、私のメッセージが効いたのか、当日には11名集まってくれた(それでも、30名くらい欠席したそうだが)。割合としては、4人に1人が参加、ということになる。割合的には多いのか少ないのか、やや微妙だが、参加してくれた11名の、未知の世界に飛び込んでくれた勇気が嬉しい。

 いろいろな意味で心配していたが、当日のワークショップは成功したと言っても良いだろう。参加者は皆、生き生きと自己の表現を模索しながら即興演奏にチャレンジし、有意義で楽しい2時間を過ごすことができたようだ。
 参加した方々の感想と写真が、「広島きらきら母交響楽団のブログ」に掲載されている(5月29日の箇所をご覧下さい)。
http://kirakyo.blog111.fc2.com/

 即興演奏を経験したことのない人に、その魅力を伝えるのはなかなか難しい。一番いいのは「やってみること」なのだ。難しいことではないと思うのだが、その第一歩を踏み出せない人も少なくない。勇気を出して踏み出して欲しいと願う。

きらきら母交響楽団ウェブサイト
(メンバー募集中!母じゃなくてもオッケー!)
http://kirakyo.web.fc2.com/home.htm


| 即興演奏 | 12:05 | - | - |
密かな音楽の愉しみ:扇風機(回想も含む)
 扇風機と対面して座り,「あー」「うー」などと声を出す。扇風機から来る風のために声にはヴィブラートがかかるが,即興的に声を変えるだけでなく,扇風機のスイッチを操作して風力を調節することによって,様々な変化をつけることが可能だ。ただ声の変化を楽しむだけのこの遊びは,しかしながら奥が深く,なかなか飽きないものだ。そして,ここで重要なことは,この遊びによって聴くことの出来る音響は,遊んでいる本人に最も効果的に聴こえるという点である。

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 この音楽、数年前、CMF(クリエイティブ・ミュージック・フェスティバル)のコンサートで演奏したことがある。

 しかし、聴いていた人からは、

「やってる人は楽しそうだけど、やっている人自身が味わっているような音の効果が、客席には届かない。」

 という感想が挙がった。


 コンサートという場が、「お客さんに音楽を聴かせる場」であるなら、当然このような音楽は場にふさわしくない。その意味では反省しているが、密かな音楽の愉しみのひとつと捉えれば、大変意義のある試みだと思う。

 今思えば、私があの日のコンサートで、この曲の演奏を通じて伝えたかったことは、音楽そのものよりも、日常の中にある音遊びを、音楽として真面目に演奏するという態度だったのだと思う。
| 即興演奏 | 00:06 | - | - |
あなたにとって即興とは
 私の所属する日本即興協会が、会員を対象としたアンケートを実施していた。いくつかの質問の中に「あなたにとって即興とは」という質問があった。
 私は答えられず、その質問のみ無回答で提出した。

 3年前、デンマークの直観音楽カンファランスに参加した際も、同じようなことがあった。「あなたにとって即興とは」と書かれた紙に、参加者が思い思いの言葉を書き込んでいた。紙は私のところにも回って来たが、その時にもやはり私は何も書けなかった。

 何かを書こうと努力してはみるのだが、書けない。それは、この質問があまりにも広い質問であることと関係している。何にフォーカスしているのかがわからないのである。

例えば、
私にとって、即興とは「演奏しながら作曲すること」
という回答と
私にとって、即興とは「異分野の表現者と共演するための最も手軽な方法」
という回答と、
私にとって、即興とは「わが人生」
という回答では、フォーカスする点が全く違っている。むしろ、簡単にフォーカスできない問題に、どのように答えるかという点が重要なのかもしれない。


 日本即興協会のアンケート結果を読んでみても、音楽について語る人、態度について語る人、あるいは人生について語る人、何について語っているのかよくわからない人など、様々な回答が見られた。どの回答も、フォーカスしている点がバラバラで、それはそれで面白いのだが、同時に皆がバラバラな結論を出しているだけでは、あまり発展性が感じられない。

 こういう試みは、あまり深刻に考えない方が良いのかもしれない。もともと答えられないような質問なのだから、ある種のゲームなのだと捉え、直感と連想だけで何かを書く、というのもひとつの手であろう。しかしながら、何かを考えても、それを字にして読み返せば、「いや、違うよな」「それだけじゃないよな」などと、自分の意見に対して疑問を感じてしまう。


 こういう質問は、一般的にも少なくない。
 アーティストへのインタビューで「あなたにとってアートとは」、音楽家へのインタビューで「あなたにとって音楽とは」などの質問を目にするのことが珍しくない。
 しかし、私はこの手の質問と回答のやり取り自体には、あまり魅力を感じていない。むしろ、質問と回答の狭間にある「思考の過程」や「理由」の方が興味深い。回答だけでは完結して閉じてしまっているが、思考の過程や理由に目を向ければ、そこから他者との接点を見つけ出せるかもしれないと感じるからである。

| 即興演奏 | 16:35 | - | - |
言葉と音のゲーム
 前回の日記で、「音を言葉で伝えるのは本当に難しいものだと実感した」と書いた。だが、一方で、そういう言葉と音のニュアンスの誤差のようなものを楽しんでいる自分もいる。

 実際、この種の楽しみを徹底的に追及した作曲家のひとりとして、フランスのE. サティが挙げられるだろう。彼は楽譜中に「舌の上で」とか「くぼみを作るように」とか「思考の先端から」などという言葉を書いて楽しんでいる。演奏家は、曲を演奏しながら、同時にそれらの言葉を味わうのだ(これらの言葉は、楽譜に書かれているため、演奏家にはわかるが、聴き手にはわからない)。それは一種のささやかで密かなゲームである。

 11年前、暗闇二人羽織というパフォーマンスユニットでの活動をしていた頃、暗闇二人羽織の第1回公演で、「頭の中で組み立てる音楽」(97年作品)と題された作品を作って演奏した。題名を見てピンと来た方も多いだろう、この作品は、小野洋子の作品「頭の中で組み立てる絵」へのオマージュである。内容も、小野の作品を強く意識している。
「頭の中で組み立てる音楽」は、極めて単純なコンセプトによって作られた。音を用いず、言葉の提示だけで音楽を表現しようという試みである。この作品では、聴衆ひとりひとりが、提示された言葉をもとに、自らの想像力を駆使して、頭の中で音楽を奏でるのだ。

 話を戻そう。同じ言葉に多くの解釈が可能ならば、それを利用したゲームができないだろうか。私は最近、この思いつきからひとつのゲームを作った。まだ実際には試していないが、将来、機会があったら、ぜひやってみたいゲームである。このゲームでは、ゲーム参加者がそれぞれ持つ「言葉と音との関係」が浮かび上がる。

 以下に、ゲームのやり方を示す。興味のある方はご覧頂きたい。

******************

 言葉と音のゲーム

 ゲーム人数:3名〜20名程度
 
 参加者は輪になって、中央を向く。
 各参加者は自分の楽器(音が出るものであれば、楽器でなくても構わない)を持つ。
 用いる楽器によって、立っても座っても良い。

 まず誰かが何か音に関係のありそうな言葉を言う(誰から始めても良い)。言葉は「湿った」「高い」「すごく小さい」といった形容詞、「朝」「風」「河童」などの名詞、「怒り」「嫉妬」「喜び」などの感情を表す言葉など、何を使って良いが、「ほわきちま」「ぬべえー」「てれてれきちょーん」などの、意味を持たない音は使ってはならない。

 他の参加者は、与えられた言葉にふさわしい音を考え、思いついた者からその音を出す。思いつかなければ、沈黙を保つ。もし、誰かが出した音を聴いて、「言葉と音が大変良く合っている」と感じた参加者は、音を出した人の方を向いてうなずく。この動作によって、音を出した者は、自らが出した音と与えられた言葉との関係を、他人がどう捉えているかを確認することができる。

 言葉を変えたいと思う参加者は誰でも、いつでも新しい言葉を提示することができる。 
 
 このゲームを楽しむポイント(作者より):

 このゲームで遊ぶ時には、あまり急がず、ゆっくり行いましょう。言葉と音との関係を心で楽しむ時間が必要だからです。
 参加者ひとりひとりが、ひとつひとつの言葉、ひとつひとつの音の持つイメージの関係を味わい、自らの感覚と他人の感覚との違いに注意しましょう。そうしたひとりひとりの内心にある密かな遊びが、このゲームの醍醐味です。言葉と音との関係を味わうことなく、ただルールに従って進めるだけでは、退屈な遊びになってしまいます。
 音を出す前に、本当にその言葉とその音とが合っているかを考えましょう。不用意に音を出してはいけません。しかし、あまり慎重になりすぎるのも良くありません。言葉と音との関係には、正解もなければ間違った答えもありません。素直な感覚を自信を持って表現して下さい。
 また、前に出て来た言葉と、興味深い関係性を持つ言葉を選ぶように心がければ、詩的な遊びにもなるので、遊ぶ前にそのことを決めておいても良いでしょう。
 このゲームを発展させた遊び方の可能性としては、「言葉に合った音を出す」のではなく、「言葉との関係が面白いと感じられる音を出す」というヴァージョンがあります。この場合は、必ずしも合った音を探すというだけでなく、むしろ言葉に合わないような音を出すことも含めて、言葉と音との関係を楽しむことができます。
*************************



宣伝:

呉Plan U企画
David Lakein来日公演「もがいて、さけんで、さようなら」

いよいよ明日です。
皆様ぜひご来場ください。

演奏会の詳細はこちら
http://dterauchi.com/infomation2.htm
| 即興演奏 | 18:58 | - | - |